TPIフィジカルスクリーニング

Golf player's studioではTPIのフィジカルスクリーニングを国内でも早くからとりいれてきた実績と経験から多くのゴルファーからの信頼を頂いております。

ドラコン世界大会第4位 小林千香

フィジカルスクリーニングとはゴルファーのフィジカルチェックの事。ゴルフスイングをするうえで重要な身体の各部位の可動性《モビリティ》 安定性《スタビリティ》 柔軟性《フレキシビリティ》を16項目に及び詳細に診断します。

スクリーニングを行うことでミスショットの原因やスイングと身体の弱点、スイングと身体の関連性に理解を深めてもらうと同時にトレーニングの方向性を決めていくうえでの大切なデータとなります。



下半身の動き


1.骨盤傾斜チェック

骨盤の前傾・後傾がスムーズに動くかをチェックします。スムーズに動かない場合、ダウンスイングの際に前傾姿勢が維持できなかったり伸び上がる動きの原因となります。 後方傾斜に制限がある場合 椎間板変性・関節炎・その他の椎間板病変が可動性を制限していることがある。 両方向に可動制限がある場合、下半身交差症候群と判定される。 ※下半身交差症候群は長時間すわっている人に起こりやすく、股関節周囲の筋群が硬化し、臀筋・腹筋が弱体することで、腰部に過剰なアーチになり、おなかが突出し、平たいおしりを成形する。腰に過剰なストレスがかかる為危険な姿勢である。


2.骨盤回旋チェック

股関節を使った動きができているか、左右の動きに差がでていないか、上半身と下半身と分離して動かせているか、スウェーにつながる動きをしていないか等、多角的に観察し個々のスイングの癖を知る事ができます。 骨盤回旋が出来ない場合、脊椎の可動性、関節性疾患と椎関節の亜脱臼、椎間板の病理の疑いがある。 骨盤があまりにも前(S字姿勢)の場合、椎間関節は閉鎖肢位になり可動性が激減する。 股関節の可動性(特に内旋)に制限がある場合も骨盤回旋が出来ない。 上半身と下半身が同時に動く場合、胸郭と脊椎の筋・筋膜性制限や広背筋・脊椎起立筋・多裂筋・深部回旋筋・腰方形筋他などの硬化や筋膜の制限により、多くのゴルファーがこの回旋の動きをマスターできていない。 骨盤の独立した動作のために腹斜筋と脚の筋肉、股関節固有回旋筋群を使えていない。 上半身が動いた場合は安定性、股関節がターンするとき腰が左右のどちらかに動いた場合は協調性に問題がある。


3.股関節可動域チェック

左右の股関節の可動域をチェックします。可動域が狭い場合、足首や膝を使って股関節を逃がす動きがでたり、上半身の動きに頼りすぎる等の代償運動を発生させる原因となります。 変形性股関節症  股関節の制限は関節変性によるものが多く、股関節や股関節周囲の筋肉や関節包、筋膜による制限がある。 股関節の関節包、固有回旋筋群、臀筋、梨状筋、大腿筋膜脹筋、腸脛靭帯、股関節屈筋群の硬化や筋膜性制限等が可動性を制限する。

 


上半身の動き


4.上半身回旋チェック

上半身の動かし方や下半身の安定性をチェックします。また肩の動きを多角的にチェックする事で腰痛の原因となる動きも見つける事ができます。 上半身回旋が出来ない場合  関節変性疾患と椎間関節の亜脱臼、または肋骨の制限が疑いがある。胸椎があまりにも後湾する(C字姿勢)の場合、屈曲と回旋の混合動作が困難となり可動性が激減する。 胸椎と骨盤の分離が出来ない場合(上半身と下半身が同時に動く)、胸郭と脊椎の筋・筋膜性制限  広背筋・脊椎起立筋・多裂筋・深部回旋筋・腰方形筋他などの硬化や筋膜により制限される。 脊椎を回旋より伸展する傾向がある場合、リバーススパイアングルになりやすい。原因は体幹の独立した動作のために腹斜筋をつかっていないことを意味する。 頚椎の回旋制限においても回旋能力に影響される。 下半身を固定して回旋できる場合は下半身の安定性に問題がある


5.オーバヘッドスクワットチェック

踵を地面に着いた状態で、フルディープスクワットできない場合、ダウンスイング時に姿勢の維持が不可能となり、アーリー・エクステンションが発生する。原因:ふくらはぎの筋が弱い・コアの弱体による骨盤の安定性欠如等 クラブを持ち上げたままスクワットできない場合、バックスイング中の姿勢の消失(フラットショルダープレーン等)が発生する。原因:広背筋と胸椎の可動制限による。 その他考えられる原因(ふくらはぎの柔軟性・胸椎の伸展・コアの安定性・骨盤の可動性・大腿四頭筋の柔軟性・肩の可動性等)


6.肩関節チェック

肩関節の可動域や動かし方をチェックします。バックスイングの右肘、フォロースルーでの左肘の開く原因に大きく関わっています。 肩甲上腕関節可動性制限 ・上腕関節窩の周辺の変位または滑走内線筋群の過剰発達・外旋筋群間のアンバランスがある場合、可動域は減少する。特にゴルファーにおいては主要な内旋筋群の広背筋と肩甲下筋である。 関節包の硬結・肩は関節包に包まれており、関節包は肩を自然な位置に保持している。関節包が一定の位置で硬くなると、可動域を制限する。小円筋や棘下筋は、障害や弱体化により外旋能力が落ちることがある。 肩甲骨安定制限 菱形筋や僧帽筋中部から下部、前鋸筋の弱体化が肩甲骨を不安定にさせる。C姿勢上半身交差症候群の場合肩甲骨が引き離され外旋能力を劇的に減少させる。


7.広背筋チェック

可動最終域で背中がアーチする場合 広背筋の起始の問題、起始部における過剰な緊張が腰部の過剰な前弯を引き起こす。 可動最終域で肘の屈曲がみられる場合、広背筋は上腕骨の結節間溝の直前で捻じれて溝の底に停止する。硬さのため腕の拳上が止まった時、前腕は肘を曲げて、より上にもっていこうとする。 広背筋全体に問題がある場合、可動最終域で肘を曲げ、背中でアーチしてしまう。


首・手首の可動チェック


8.頸椎回旋チェック

首の可動域のチェックをします。首が硬いとヘッドアップの原因にもなります。 頚椎関節炎  頚椎の制限は通常、関節または椎間板の変性によるものである。頚椎の変性が最も一般的で関節可動域を制限し、回旋と屈曲動作を難しくする。 頚部周囲の筋肉と関節包、筋膜による制限  頚椎を支持する筋の硬結または筋膜の制限、関節包、僧帽筋上部、斜角筋、後頭下筋群、胸鎖乳突筋が可動性を制限する。


9.手首の可動チェック

手首の可動でコックやクラブのローテーションを行うことができます。 手首の動きに制限があるとスイングに様々な影響があります。 骨の動き 前腕の撓骨・尺骨関節軸に障害がある場合制限がみられる。この軸は近位と遠位撓尺関節を斜めのラインで結び、この軸を中心に撓骨、尺骨、手関節の回内・回外が可能になる。 関節面の傷害は、骨折や手術などの外傷事故に起因する。(多くはこの軸が正しく構成されない場合にみられる) 筋の働き 回内可動に関与する筋は、方形回内筋、円回内筋、撓側手根屈筋でこれらに問題がある場合、回内中に発揮する能力は制限される。回外可動に関与する筋は、回外筋と拇指伸筋、示指伸筋でこれらに問題がある場合、回外中に発揮する能力は制限される。


体幹・筋力チェック


10.バランスチェック

左右の足のバランスをチェックします。左が弱ければダウンスイングや左足下がりのような左に体重がかかったときにミスを発生しやすくなります。 下肢の障害がある時、ほとんどの場合で片足バランス時間で制限がでる。過去の傷害もこのテストで露呈する。 固有受容感覚は関節が受傷した際(足首や膝の捻挫等)一度損傷すると感覚受容器の能力は大きく後退する。 良性発作性頭位目眩症(BPPV)のような症状を示した場合、両目を開けても閉じても、片足でバランスをとることは難しい。


11.臀筋・体幹チェック

ブリッジをした姿勢で臀筋や体幹が使えているかをチェックします。 腰が痛くなった場合やハムストリングが痙りそうになった場合は臀筋を上手く使えていないケースが多く、つま先重心になる傾向があります。